「インナー・スペース」映画「インナー・スペース」脳天直下雷蔵 たしか、85年か86年どちらかの、その年の暮れぐらいに上映していたと思う。*゚ー゚) 人間の体内に小さくなって入り込むっ、てな内容だったはず…。 (もっと前に、似たような映画でミクロの決死圏てのもあった) はずっていうのも、映画館に観に行ったのに全然見ていないのだ。´∀`)あはは… それは、忘年会の帰り。 酔い覚ましに(車を運転して帰るから)映画でも観て帰ろうと、 会社の一つ年上の先輩のHさんと二人で観に行ったのだ。゚∀゚) 俺は別に、興味のない日本映画でも、ポルノ映画でもなんでもよかったが、さすがに生真面目なHさんに、 「いいのやってますぜ、お客さん。ぐへへへ…」`∀´)<<< てな訳にはいかないので、無難な選の映画、「インナー・スペース」を選んだ。 (Hさんが見たいっていったかも…) とにかく、生真面目が服を着て歩いてるような人だった。 ̄ー ̄) 俺とカズ君(会社の後輩)が下ネタで盛り上がっていて、 「脳天さん、あそこプロペラのように回せます~!」 「おう!回せる!回せる!ちぎれるまで回せる!」 「うひゃ、ひゃ、ひゃ、ひゃ!」(俺とカズ君) てな事を側で聞いてても、全然乗って来ないどころか、 眉ひとつ動かさない堅物だった。 (゜∀゜)あらま? とにかく、この堅物君を連れて、映画館に行った。 ̄ー ̄) しかし、俺はその時けっこう飲んでいて、これは絶対「寝るな」と、確信したので、´Д`) 「Hさん、もし寝たらすいません。イビキをかいたら叩き起こしてくださいね。´∀`)へへ…」 て、映画館に着いて、入館前に言った。 「うん!大丈夫。寝てもいいよ!僕は心配ない。イビキ?ちっちゃいんでしょ。少し位なら起こさないから」 と、酒が入ってるせいか、いつもより口が軽かった。 「でも、Hさん、眠たくならないんですか?」゚∀゚)< Hさんも随分飲んでいた。 「僕は平気、平気!絶対寝ないから。脳天君、寝てもいいよ!終わったら起こしてあげるよ。」 と、真っ赤な顔で、やさしい言葉をかけてくれた。 よし!せっかく高いお金を払って観るんだから、絶対寝ないぞ!Hさんにも恥ずかしい思いをさせてはいけない!゚∀゚)/ と、堅く心に誓って、頬を両手で叩いた。*゚ー゚) 「でも、脳天君イビキかくんだ。」 窓口でチケットを買いながら聞いてきた。 「Hさんはイビキかかないんですか?」(゜∀゜)? 切符切のおばちゃんが、「ちょうど始まるよ」って言った。 「うん、僕は絶対かかない!」 中に入ると、二十人位居た。 カップルや、友達同士、中には女性のグループもいて、 「インナー・スペース」を楽しみに観に来てるんです!ってな雰囲気を漂わせていた。 俺とHさんは、ちょっと後ろの真ん中の席を選んだ。 (Hさんが真ん中がいいと決めた…) 「やっぱり…無理かも知れない…眠いっすわ…」´Д`) 俺は椅子に座りながら、Hさんに小さな声で言った。 館内の暗さがいっそう眠気を誘った。 その時はMさんは無言だった。 幕が上がり、予告が始まった。 来月は「ラ・バンバ」がいよいよ大公開!てな感じで予告を上映していた。 しかし、案の定、睡魔がやって来た。´∀`)ああ…来たか…。 上の瞼と下の瞼が、ゆっくりゆっくりくっつこうとしていた、 その時、 「ぐごごごご~!」 何処からか、野獣の雄叫びのようなイビキが聞こえて来た。 …? ククク…`∀´)凄いイビキ… ̄m ̄)ぷ!恥ずかしい奴… 誰だ?゚∀゚) 俺は身体を起こした。 Hさんであった。゚Д゚)<<< はぁ? あれほど、「寝ないからね!」 って、言ってたくせに…ヽ(`Д´)ノ 一番に寝てやがる…´Д`)トホホホ…。 廻りのお客が迷惑そうに、こっちを見た。 俺は慌てて、 「Hさん!Hさん!起きて!」 「ぐが~!ごが~!…?」 起きた。゚Д゚) 「Hさん、イビキがうるさいすよ…」´∀`) 小さな声で言った。 「ん?僕?…寝てないよ!」・∀・)? はぁ?゚Д゚)? 「寝てました!ぜ~たい寝てました!」`Д´) 呆れながら言った。 「うん…あ、そう…バタ、ぐが~!ごおおお~!」 また寝た。゚Д゚)< 「ち、ちょっと~Hさ~ん。起きてくで~~~~~~!」 ……。 俺もいつのまにか寝ていたらしい…。 「ぐあ~!ごお~!ぐががが~!」 「き~!ぐお~!げががが~!」 俺が高いパートのファルセット、 Hさんは低いパートのバスを担当していた。 「きゅ~るるる~」 「ごごごご~~~!」 「き~~~~~ぃぃぃぃ!」 「ががががぁぁ~~ぐぃ~!」 映画館はさしずめ二人の音楽会になった。 ̄ー ̄:) 二人の素敵なハーモニーは、掃除のおばさんが起こしに来るまで続いたとさ…。 (゜∀゜)あらま? |